中学生になる前に必要な英語学習の習慣づけと先取り学習
小学校の卒業式が終わって,中学生活が始まる休み期間中に,本格的な英語学習のスタートダッシュをかけましょう! そのための,基礎知識や心構えとちょっとしたコツをお話しします!
中学入学前に英語学習の習慣づけを
中学1年生(正確には中学生になる前の休校期間中の生徒)からこんなつぶやきを聞いたことがあります.
「暇だし,何を勉強したらいいかわからないし,英語でもやろうか!」
この姿勢,すばらしいです.本当にすばらしいです.そして,そう思ったこと(思えたこと)は,とても幸運です.なぜなら,中学1年生は,英語を本格的に学び始める入り口.
「さあ,英語やろう!」
そう思えた瞬間,英語の基礎の基礎をがっちりと固めて,将来,英語が得意になり,英語で開けるすばらしい世界を満喫する切符を手にしたのですから.
中学生になる前に長期休校を迎えた今という時間は,これから英語を本格的に学び始める入り口でもあります.何事も最初が肝心.「何をどのようにすればいいのか?」 そんな前向きに悩めるということは,中学生以降に必要な英語学習の習慣付けから学習戦略について,積極的に考え,先取り学習を自学自習していける力があるということです.
中学校の英語と小学校の英語の違いを知る
かつて,英語は中学校から学ぶ初めての教科でしたが,ご存じのように2011年度からは小学校から英語の授業が始まっています.そして,2020年度からは小学校中学年から英語活動が始まり,高学年では正式な教科として学ぶようになりました.学校によっては,小学校低学年から英語の授業をやっている学校もあると聞きます.このように,すでに多くの生徒が中学生になる段階で,何らかの形で英語とのお付き合いを経験しているのです.
小学校で英語を学ぶ目的としてはいろいろとあるのでしょう.その主目的が,全員が中学以降の本格的な英語学習にスムーズに入っていけるようになり,その後の英語学習が能率的に進むためであることに異論はないでしょう.このように,小学校の英語学習の有効に作用し,中学英語にスムーズに接続できるようになるためには,小学校から中学校へのつなぎ目である,休校期間中が意外と重要であることがわかります.
小学校の英語は,最初は聴いたり話したりすることを中心に,英語活動から始まりました.この段階では,あまり正確性を要求されることはありませんでした.どちらかというと,積極的にコミュニケーションする機会があることそのものが重要でした.これはいわば,英語のおいしいところをつまみ食いをしてきた感じです.「英語って楽しいな!」,「英語を身につけたら,いいことがいっぱいあるんだな!」,そんな体験を数多く行い,英語学習に対する動機付けを強化してきたといってもいいでしょう.いわば,各駅停車の旅で,ところどころで途中下車をして,英語という教科に対する興味を膨らませてきたのです.
高学年になると,聴くこと,話すこと以外に,読むことと書くことが加わり,4年生までの体験を基礎としながらも,便利な英語表現を学びながら,より豊かなコミュニケーションができるように英語の四技能を伸ばしてきました.だんだんと手持ちの使える表現が増えていくにつれ,目の前の世界が拡がっていく楽しさを経験できたと言う人も多いでしょう.小学校の英語のねらいはここにあったのです.
一方,中学校からの英語では,ますます「文の仕組みを理解や,言ったり書いたりすることの正確さ」(『Z会 中学英語さきどりワーク スタンダード』の「はじめに」より引用)が求められるようになります.その積み重ねにより,四技能5領域(読む,聴く,書く,発表,やり取り)のコミュニケーション能力をどんどん高めていくことがねらいとなるのです.
休校期間中に中学校の英語を先取りする
中学校の英語の授業が本格的に始まる前であるこの休校期間のうちに,中学校の英語学習を進めていくための学習習慣をつけていきましょう.中学校の英語では,ひとつひとつをていねいに,しっかりと理解し,習得し,そして習熟していくことになります.休校期間中でもできることから始めていきましょう.
この積極性,とても大事です.たとえ少しだけの先取りであっても,本格的なスタートラインで少しだけ得意ということは大きなアドバンテージがあります.得意だったら興味がわきます.好きになります.そして,自信になります.これらのメリットはすべて,ますます積極的な学習習慣につながります.こうして,すべてがうまく回っていくことでしょう.
環境などの違いによる問題もクリア
実は,ここでいくつかの問題が発生します.中学校の教科書を,すでに配布されていて持っている人もいれば,まだ持っていないという人もいらっしゃるでしょう.当然,アプローチの方法が違ってくることになります.さらに,中学校で使用する英語の教科書が検定教科書か,検定外教科書かによっても違ってくるでしょう.
もうひとつあります.小学5年から英語が教科になった関係で,すでに英語の得意感,不得意感が生じてしまっているかもしれません.特に,中学入試に英語が課せられていた場合はその感が強いかもしれません.
もちろん,この段階での得意感,不得意感は,今後の学習にはあまり関係がありません.まだ学びはじめだから.ちょっとした心の持ちようと今後の行動で,いくらでも,よい方へ導くコツがあります.
中学英語へのスムーズな接続と実践
各細項目では,中学校の英語にスムーズにつながるように,今,何をしておくとよいか,をケース別に提案していきましょう.それらを参考に,自分に合う方法にアレンジしてもいいですから,ぜひ,実践してみてください.きっと,あとで,いいことがいっぱいあること間違いなしです!