長期休校期間中の英語学習法

志望大学と学部を決めていますか?

高校生になって,将来,大学進学をするならば,最初に志望大学,学部を決めておかなければなりません.特に,第一志望は絶対に早期に決めてください.本来,受験勉強はこの2つが決まっていないことには始めようがないのです.ところが,志望大学・学部を決めずに,なんとなく勉強している人がが多いこと,多いこと!

志望大学と学部をあらかじめ,決めておく必要がある理由を考えてみましょう.

大学入試の現実☆受験勉強開始の時点で勝負の大半はすでに決まっている!

早期に志望大学と学部を決めて受験勉強に取りかかった人とそうでない人との間には,圧倒的な情報量の差が生じているということです.要するに,最初から圧倒的な,有利・不利が生じてしまっているのです.いいですか,「最初から」ですよ.つまり,受験勉強を始める前の段階でもう,半分以上(おそらく,7~8割程度),勝負が決まっているのですよ.

書店に行くと,「傾向と対策」のたぐいの本がたくさん並んでいます.受験本番直前になって初めて「傾向と対策」を知ったところで,できることは限られています.それでも知っているのと知らないのとでは雲泥の差があるのですが,どうせなら,受験勉強の最初から知っておいたほうがいいと思いませんか?

当然のことながら,必要な情報は各科目の「傾向と対策」だけではありません.出願時期,試験日程,試験科目,合否判定のしくみなど,他にも必要な情報はたくさんあります.どの情報も,早く知れば知るほど有利に働きます.時には一方的に突然の変更が発表されることがありますが,それも早くから情報を知っていた人ほど臨機応変に対処できます.

なぜこんなことを口うるさく言うかというと,私自身が情報収集も含めた準備不足で大失敗をしたからです.

私の大失敗と成功体験

私は2浪しています.しかも,1浪目の夏に志望校を変更.このときの大失敗の経験のお話をしましょう.

現役の時は,志望校を決めるのに多少,右往左往もしましたが,少なくとも高2の夏までには決まっていました.それでも,中学生のときや高1の始めに決めている人からすると,それでも遅すぎるのですが(実際,不合格でした),過去問をじっくりと分析する時間はありました.

ところが,1浪目の夏に突然の志望校変更.これには両親との一悶着もあって,いろいろな理由があったのですが,受験科目の変更が伴う変更をしてしまったのです.これがとんでもない大失敗!新しく加わった受験科目の勉強に時間を取られてしまい,過去問を研究したりする作業はもちろん,いろいろな情報収集がおろそかになってしまいました.

その結果は大敗.しかもその大敗ぶりは1年前の比ではありませんでした.いわば壊滅的な状態.これは本当にショックでした.

現役の時と1浪目の時との差は,圧倒的な情報の量と質,その情報に基づいた準備力の差であることは明白でした.情報と準備力の差が,1年間の勉強以上の差になり得ることを直視せざるをえませんでした.

さすがに翌年の受験には,1年間かけてじっくりと情報収集と研究を積み重ねて望みました.試験が終わった時の感触も,過去の2回とは明らかに違いました.それでも合格発表があるまでは合格しているという自信はなかったです.実感したのは,早めに目標を決めて,周到な準備した人のみが勝負の土俵に上がることができ,前年の私のような人は始めから勝負になっていない,ということでした.

もし,高1の授業が始まる前の段階で志望校が決まっていて,どのような問題が出題されるのかを含めて,さまざまな情報を自分でリサーチして知っていたとしたらどうでしょうか.最初から,何をどの程度,やればよいのか,綿密な計画と戦略を練った上で,高校の勉強を始めることができます.それをやるか,やらないかの違いが,3年後にはとんでもない大きな差になっているのは当然です.

学校の授業や教科書をどのように活用するか

早く目標を決めた人には,学校の授業や教科書の活用のしかたも違います.入試問題は学習指導要領に基づいて作成されるわけですから,学校の授業や教科書の中にもヒントがたくさん眠っています.このお宝を活用しない手はありません.そのどの部分を掘り起こして,どのように活用するのか,時間があるからこそ,そのような研究もできるのです.

逆説的ですが,目標を決めた上で,学校の授業や教科書を活用している人には,後述する入試問題の突然の傾向変更も想定・対処がしやすいようです.なぜなら,過去に実際に出題された入試問題を知っていると,たまに教科書に現れる新しい傾向が妙に,新鮮味を帯びて映るからです.「これをあの大学の入試問題にしたら,こうこう,こういう意味で良問が作れるだろうなあ!」このような一種の勘のようなものも活用しながら,想定外の事態にも備えていきたいものです.

もちろん,学校の授業や教科書では不足する部分もあるでしょう.過去問を検討して,どこがどのように不足しているかを検討することもできます.不足する部分については自分でいつ,何で,どのように補えばよいのか,綿密に戦略が立てられるはずです.

一方,志望大学や学部を決めていない人は,なんとなく学校の授業を受けているのではないでしょうか.その違いは最初の1時間目からもう,始まっているのです.特に,外国語である英語では特に,その差が大きくなりやすいようです.

学校の授業と教科書の有効活用とその補充,想定外の事態への対処のためにも,早く志望大学,学部を決めましょう!

戦略の実行と経験値がモノを言う

どんなに周到な計画を立て,綿密な戦略を練っても,学習途上で変更したほうがいいと感じ始める時期があります.早めに目標が決まっている人は時間があるので,途中で戦略の見直しなども可能となり,より良いものに変えていくことが可能です.

戦略の見直しは,時に大きなロスを伴います.自分が「もう一つのアプローチのほうが効果的だ」と思っても,変更してすぐに成果が現れるわけではありませんし,変更に伴うさまざまな面での戸惑いや,新たな問題点への直面による時間やエネルギーのロスは避けられません.

新しい戦略がわかっても,無視して今のままの戦略を貫くか,新しい戦略に乗り換えるか?これは大きな問題ですが,残念ながら,これだけは実際に経験を積まなければうまく対処できるようにはならないのです.どうしても,多少の試行錯誤や小さな失敗は必要.そのうちに,どちらが今後のためになるかについての分析眼のようなものが育っていきます.

このようなさまざまな経験を3年間,やっている人とやっていない人の差はとんでもなく大きなものになることでしょう.そして,目の前に想定外の事態が訪れたときにも冷静に対処することができるようになっていくのです.

想定外の変更でパニックにならないために

想定外の事態で,受験生が最も恐れるのは,突然,問題の傾向が予告なく変更されるでしょう.入試制度が変更になった直後にはよくあることですが,それ以外でも通常,数年に一度は大きな変更がある大学も多いようです.

もし,早期に目標を設定して準備していると,過去問から問題の傾向が急変したことがあるという事実を知ることもできます.もし,そのようなことが次に起こるとすればどのようなパターンになるかまで想定することも可能です.そして,突然の傾向変更まで想定して対策を立てていれば,その場で冷静に対処できるのではないでしょうか.そのためにも,早めの目標設定が必要です.

まだ志望大学・学部が決まっていない人,今すぐ決めてください.それがあなたを成功へと導く鍵となります.