大学生に最適な英語学習法がある!
英語の基礎力の底上げには戦略が必要です.いくら時間があるという大学生でも,その時間は一つの言語の習得・習熟に必要な時間に比べたら短いものです.大学生には大学生に適した学習法があります.そのいくつかを見てみましょう.
勉強の方法がわかっている
大学生は,基本的に勉強の方法がわかっているはずです.義務教育も含めると少なくとも12年は勉強してきたのですから.これは大学生の大きな強みです.
勉強の方法にもいろいろとあることもわかっています.教科書や参考書,その他の本で勉強する方法,講義を受けて理解する方法,さらに実践で学ぶ方法があります.
教科書や参考書,その他の本で勉強することは説明する必要はないでしょう.今まで,いやというほど,やってきたはずですから.しかし,どのような書物を選択するかという点に関してはコツがあります.このことは重要なポイントですから後述しましょう.
講義を受けるのはどうですか?
高校までの授業をもう一度受けることはできないと思うでしょう.それができるのですよ.しかも,受けたいところだけを受ければよい.そんな授業があるのです.
それはスタディサプリです.これは便利です.ポイントとなるのは,「スタディサプリのどの部分を視聴するか?」という問題です.
実践で学ぶ方法も大学生ならいくらでもできるでしょう.英語のサークルに入る,英会話学校に通うなどの他に,オンラインセミナーを受講するなどの方法があります.特に,書物やスタディサプリで学び,自分で充分な練習を積んだ後には強力な選択肢となり得るでしょう.
大学生に適した英語学習法とは?
さて本題です.大学生に適した英語学習法とはどのような方法なのでしょうか.そのためには,大学生が小中高校生と比較して,どのような発達段階にあるかを考えてみればよいのです.
比較のために,小学生の場合を考えてみましょう.小学生の場合はまだ母国語の習得途上にあります.論理的思考力も十分には発達していません.文字を見て,視覚から論理構造を比較しながら論理的に理解していくことは困難なのです.
その反面,小学生は音声面での記憶力は旺盛です.耳から音声でインプットしたことや視覚からでもイメージで雰囲気を把握し,その全部をそのままの状態で記憶しておくことは得意です.
そのために,小学校中学年の英語活動では,話したり聴いたりすることを中心に英語に親しむことが重要視されています.積極的にコミュニケーションを取ろうとする行動を重要視し,できるだけ実体験を多く積むことにより,習得・習熟が進むようにカリキュラムが組み立てられているのです.
小学校高学年や中学生になると,母国語の習得も基本的な部分は完成し,母国語で論理的に考えることができます.数学などの論理を徹底的にトレーニングする教科の学習も始まります.そのため,それらの習熟度に合わせて,英文法から導入することが可能となってきます.
中学生から高校生になると,母国語の体系はほぼ習得済.母国語を使って論理的に考えることが容易に成ってきます.代わって,母国語の干渉という問題が大きくなってきます.みなさんも,経験があるのではないでしょうか.自然な英語の発音をしようと一生懸命に頑張っても日本語なまりの英語になってしまうことが.日本語の文構造や語順に惑わされて英文の意味を読み違えたために,試験で減点されたりしたことがあるかもしれません.これらはすべて母国語の干渉です.
母国語の干渉の問題に着目する限り,年齢が上がるほど不利なように思えるでしょうが,自体はそれほど悲観的ではありません.逆に,中学生の頃より急速に発達する論理的思考力をうまく活用するとよいのです.論理的に考えることにより,母国語と学習言語との違いを客観的に比較したり理解することができます.それを母国語で論理的に説明したものが,私たちが習った英文法です.
すなわち,文法こそ,母国語の干渉を跳ね飛ばして効率的に英語を学習するための強力な武器であり,大学生では高校生以上にその傾向が強いと言えます.ということは,大学生では英文法など,理論的に説明してあるものを読んで理解する方法が近道なのです.
大学生なら発音も理屈で理解できる
英文法のことを述べたついでに,大学生の場合,発音も理論的にで理解できるというお話をしておきましょう.大学生の場合,小中学生と全く同じように学習する必要はありません.もっと効率のよい方法があればその方法で行うべきです.
英語を学び始めたときの発音の習得はこうでした.まず音声に親しみ,長い時間をかけて慣れることにより,だんだんと発音できるようになっていきました.十分な時間が経過し,とりあえずある程度,発音できるようになってから簡単なフォニックスなどを導入し,音の法則の一部に触れたのです.そして,まず短い英文をゆっくり読む練習を始め,徐々に長い英文で練習しているうちに,英語独特の音の特徴にもなじんでいきます.その過程の中盤でやっと,発音記号を学習しました.この順序はまだ母国語の基礎も発達途上で論理的思考力も不十分な子どもの場合には必要な手順です.でも,大学生らが同じ手順をふむ必要があるでしょうか?
大学生程度の年齢の場合なら,音の法則をまとめて先に学んでしまえばいいのですよ.フォニックス,発音記号,音のつながりや変化,イントネーションなど,最初に理解したほうが早いことはいくらでもあります.向学心のある大学生なら,英語学の基礎知識を使ってもよいでしょう.音声学などを学習することにより,試行錯誤でやっているよりも大幅に労力を削減できるはずです.
もちろん,理屈で理解した後に,ある一定量のトレーニングを充分に時間を確保して続けることは必要です.それでも,最初に理屈で理解することにより,トレーニングの対象と目的を絞って集中的にトレーニングすることが可能になり,トレーニングの能率は劇的に増大するはずです.
英語学習法も理屈で理解せよ
英語の学習法も理屈でまず,理解しておくとよいのです.小学校から高校まで,いろいろな英語の学習法を試しながら,体験学習をしてきました.でも,大学生ならその英語学習法の学習を行い,論理的に理解してしまえばよいのです.
私がおすすめするのは,森沢洋介氏の『英語上達完全マップ』を一読することです.社会人向きの英語学習法を述べた本ですが,大学生にもとても重宝します.
この本が優れている理由は,次のページで述べる予定です.