文法は大丈夫ですか?英文法を短期間で確実かつ能率的に理解して英語力を飛躍的に向上させよ!
最初に素朴な質問です.
「文法は大丈夫ですか?」
自信を持って,「大丈夫!」と答えられる人は,そのまま『英語上達完全マップ』にしたがって,自分に必要と思われる項目から実践してください.
一方,思わず言葉に詰まってしまう人,不安になった人は,以下の説明を読んでいただき,その対策を練ってください.英文法を確実に理解していることが英語力を飛躍的に向上させるためには不可欠だからです.
では,始めましょう!
母国語の干渉は文法で克服する
英語のような外国語を学習,習得し,習熟する上で立ちはだかる壁は,母国語の干渉という問題です.この母国語の干渉という問題を克服するために,先人たちはさまざまな工夫を行ってきました.その知見の集大成の一つが,文法という武器です.
本来,文法は非常に役立つものです.味方につければこれほど,心強い味方はありません.でも,多くの人にとって,文法というと何か,毛嫌いされるようです.昨今の中学の教科書(ここでは検定教科書)ですら,「文法より会話へ」という流れに押されて,文法の説明を控えめにしているものがあるように感じます.
一方,会話でも読書でも,ある一定以上のレベルに到達するには文法の習得は避けて通れません.
ここでは,英文法アレルギーの方,中学・高校で英文法はあまりやってこなかった方のために,英文法を即習することを考えましょう.
長期休校期間を利用して短期間で全体像を理解する
まず始めに断っておかなければならないことがあります.このページは英語(特に英文法)が苦手な大学生のためのページですが,中学生,高校生の方も読んでいらっしゃるかもしれません.そこで,最初に中学生,高校生のための活用方法を述べておきましょう.
中学生の方は,先に,学校の教科書や中学生対象の参考書や問題集で勉強してください.そのほうが能率的かつ現実的だからです.このサイトでも,いくつかの学習方法の提案をしていますので,中学生対象のページを参照してください.その上で,さまざまな疑問点を解決したいと思ったら,このページに戻ってきてください.
次に高校生の場合です.中学英語の復習をしても腑に落ちない場合は,このページを読んでください.きっと,中学英文法の説明と大学受験英語での英文解釈や長文問題の解説とのギャップを埋めることができる手がかりが得られることでしょう.
大学生の場合は一度は全体を学習していますから,即習が可能です.そもそも,この段階にはあまり時間はかけたくはないのです.やらなければならないことは他にもたくさんありますから.まずは即習で全体像を把握し,他に必要な部分は,必要になったときにその都度,補充していくことにします.試験があるわけではないですから.
英文法を短期間で確実かつ能率的に理解するためには長期休校期間を活用しましょう.自分で適当にプロジェクト名でも付けてください(例:英文法速攻攻略プロジェクト).このプロジェクトを達成することで,英語力を飛躍的に向上させる素地が得られます.受験の時に文法で苦労したという方も大丈夫.コツさえつかめば意外なほど簡単なことなのです.
英文法が苦手になったり毛嫌いされたりする理由
こんなことを言うと,次のような反論が聞こえて来そうです.
「文法が重要だっていうことはよく聞くけど,そうは言っても文法は苦手だったんです.次から次から出てくる用語がわからない.そのような文法用語でわけがわからなくなって英語が苦手になったんですよ.」
と.その通りなのです.文法用語を理解することは難しかったのです.だからわからなくなったのですよね.違和感を持ってしまったのも当然なのです.
それではなぜ,文法用語の理解が難しかったのでしょうか.それは,ちゃんと説明してもらえなかったから.と,次々と過去形(ゴメンナサイ!これも文法用語でした!!)で書いてしまいました.過去形で書いたということは,「これからは違いますよ!」と言いたいのです.
文法用語をちゃんとわかるように説明してもらえれば理解できるはず.理解できれば文法は苦手にならないはず.すると,今度は文法を武器として英語が得意にできるかもしれない.そんな期待が沸いてきます.その通りなのです.文法を武器とすれば,英語力は飛躍的に伸びるのです.そのためには,繰り返しになりますが,文法用語などもちゃんと,わかるように説明してもらわなくてはならないのです.
私自身も,英文法に関してはなんとなく,とらえどころがない感じがしていました.確かに文法がわかれば(わかったような気になっただけでしたが),英語は理解できるのはイヤというほど経験してきました.正確に言えば,文法を理解していなかったばかりに,膨大な時間の無駄をしていたんです.それをちょっとしたきっかけで,文法の一つの項目が腑に落ちただけで,飛躍的に理解が進んだのです.
ところが,今度は自分が教える立場になって,「文法がわからない」という人にちゃんと説明ができなかったのです.ここで,自分自身が理解していなかったのを思い知らされました.主語とか目的語とかの文法用語を納得がいくように説明ができない.名詞とか形容詞などにしてもそう.それなら,ちゃんと説明してある本で勉強しようと,いろいろと本を探してみたものの,わかりやすく説明してある本がなかなか見つかりませんでした.
そして,やっと見つけた本が,今回,紹介する「英文法のトリセツ」シリーズなのです.読んでみるとその本の著者の森沢氏も私と同じく,家庭教師をしたときに納得のいく説明ができなかったそうです.
結局,英語の初歩の初歩をていねいに説明した英文法の本は,森沢氏自身によって作られました.その画期的な本が,
なのです.
文法用語の一つ一つまでていねいに説明
あまりここでネタバレをしてしまうと著者には申し訳ないですが,『英文法のトリセツ』の内容を少し,説明してみましょう.といっても,著者が大事にされているところは絶対に明かしません.やはり,順々に読んでいって感動してもらわないと意味がありませんから.
最初は,文構造が全く同じ2つの日本語の短い文が紹介され,その2つが英語では別の文構造になるという例が紹介されます.どちらも中1の教科書に出てくるような例文です.もし,この違いが説明できないようなら,中1の英文法が理解できていないということになります.
大体が説明できるという方も,説得力がある説明が知りたくなるものです.そして,読み進むにつれ,徐々に自分が今まで十分に理解できていなかったことに気づくようになり,ついに,
初歩の初歩の小さな「何で?」をひとつひとつ確実に「なるほど!」へと変えていくことが,このあとのより高度でフクザツな「日本人ならだれでもつまずいてしまう部分」を乗り切るための最大の秘訣
であることを悟ります.
その後は著者といっしょに,一歩一歩,考えながら読んでいくと,今までの疑問が次々と氷解していくのですが,この著者が徹底的にこだわっているのが,文法用語の一つ一つまでていねいに扱うということです.多くの本では省略されてきた難題に正面から向き合った著者に脱帽です.
ここで大急ぎで他の多くの本の弁護もしておかなければなりません.英文法で使われる文法用語も含めて,専門用語の中には統一見解が得られていないものが多くあります.中立的な立場で執筆しようとするとどうしても,定義があいまいになってしまうのは致し方ありません.これは避けられない問題です.とはいえ,「英文法のトリセツ」シリーズの著者のように,自分の教育哲学を全面に出して,学習者目線からしっかりと定義して,ていねいに説明してもよいのではないでしょうか.
めざすは英語の統一的な理解
「英文法のトリセツ」シリーズの読みやすさは他にもあります.読んでいると随所で基本に立ち返っているのがわかります.だから,今,どこをやっているのか,なぜそうなるのか,というのがよくわかるのです.
基本に立ち返って理解を促す例として,現在進行形の説明があります.多くの英語学習者が,現在進行形のところで混乱したのではないでしょうか.英語の動詞にはbe動詞と一般動詞があると最初に習い,両者が同時に使われることはないと理解したのに,なぜ,進行形ではbe動詞と一般動詞が同時に出てくるのか,と.このような問題も「英文法のトリセツ」シリーズではあいまいにせず,ていねいに説明しています.そして,その説明を読み終わると,英語全体の理解も進むという仕掛けです.このように,ワクワク感を得ながら読み進められるので,短期間で読み通せるのです.
「英文法のトリセツ」シリーズは全部で3冊ありますが,その最初の「じっくり基礎編」だけでも英語という言語がどのような特徴と体系を持っているのかを統一的に理解できるようになるでしょう.英語を読んだり聴いたりするとき(そして,話したり書いたりするときも),今までとは違う新たな展望が得られていることでしょう.
すると,もっと高度な英文法も同じように理解していきたくなります.そのためには,実際に多くの英語に触れながら,続編も読んでみるとさらに理解が深まっていくことでしょう.
なお,Kindle版(電子書籍版)限定で,3冊合冊もあります!